本店移転登記の取締役会議事録・取締役決定書とは?徹底解説

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本店移転登記の申請手続きを行う際に必要な書類として、取締役会議事録と取締役決定書があります。

本ページでは、取締役会議事録そして取締役決定書について詳しく解説します。作成例も紹介するので、書類が必要な時はぜひお役立てください。

目次

取締役会議事録と取締役決定書の違い

取締役会議事録と取締役決定書の違いについて確認しておきましょう。それぞれ1つずつ説明します。

取締役会議事録とは?

取締役会議事録とは?

取締役会議事録とは、開催された取締役会の内容を記録した書類のことを指します。取締役会を開いた際は、必ず取締役会議事録を作成しなければなりません。

会社法第369条
取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。

会社法第369条3項

取締役決定書とは?

取締役会決定書は、取締役の過半数の同意を得た・一致があったことを証明するための書類です。取締役会を設置していない会社は取締役会議事録を作成する必要は無いですが、こちらの取締役会決定書を作成しなければなりません。

取締役会議事録の代わりになる書類と考えれば、分かりやすいかと思います。

取締役会は設置していないからといって何も作成しなくて良いわけでは無いので、注意が必要です。

どちらも本店移転登記時に必要、<取締役会議の設置有無>で作る書類が異なる

本店を移転して住所が変わる場合には、登記の手続きを行ないますが、登記手続きに必要な書類の中に、取締役会議事録・取締役会決定書が含まれています。

取締役会を設置しているかどうかで、取締役会議事録と取締役決定書のどちらが必要になるかが変わります。

  • 取締役会を設置している会社:取締役会議事録
  • 取締役会を設置していない会社:取締役決定書

取締役会議事録・取締役決定書の作成例(雛形)

取締役会議事録・取締役決定書の作成例

取締役会議事録と取締役決定書をどのように作成したら良いか、本店移転登記時を例にして記載しました。

決められた雛形(フォーマット)が無いので、下記例を参考にして作成していただければと思います。

決議された日付を記載する

  • 取締役会議事録:令和〇年〇月〇日、午前△時△分~午前△時△分
  • 取締役決定書:令和〇年〇月〇日

決議した結果を記載する

  • 取締役会議事録:取締役▲名出席のもと取締役会を開催し、下記議案の可決が決定した
  • 取締役決定書:当取締役全員一致をもって、次のとおり以下の事項を決定した

決定した事項を記載する

取締役会議事録:
    1.決議事項
      当会社の本店を下記へと移転すること
       本店移転先‥〇〇市〇〇区△丁目△番地△号
       移転の時期は、令和〇年▲月▲日とする          
取締役決定書:
    1.決定事項
      当会社の本店を〇〇市〇〇区△丁目△番地△号へと移転すること
      なお、移転の時期は令和〇年▲月▲日とすること

出席した取締役の氏名と印鑑を押す

代表取締役:〇〇〇〇【実印】
取締役:〇〇〇〇【実印】
取締役:〇〇〇〇【実印】
取締役:〇〇〇〇【実印】
出席監査役:●●●●【実印】※監査役も決議に参加した場合

全員が出席せず過半数を超えて決定した場合は出席者の氏名のみ記載

取締役全員は出席せず、その場にいた取締役の過半数もしくは全員一致をもって決定した際は出席取締役:〇〇〇〇【実印】、以下は同:〇〇〇〇【実印】のように、出席者の氏名と押印だけで構いません。

状況によって変えましょう。

本店移転の登記時に定款の変更が必要or不要かを確認しよう

定款の変更が必要or不要

本店を移転することが決議されて、登記の手続きを行う際に定款の変更も必要なのかを必ず確認してください。

例えば定款に記載の本店住所が、「〇〇市●●区内に置く」となっていて●●区内での移転であれば、定款の変更は不要です。
しかし

丁目△番地△号など細かい住所まで記載しているのであれば、同じ区内はもちろんのこと、△丁目内の移転であっても定款を変更しなければなりません。

定款変更が不要なら取締役会議事録と取締役会決定書のみでOK

定款の変更の有無により、用意するべき書類が異なります。定款を変更しなくて良いならば、取締役会議事録か取締役決定書のみの提出で問題ありません。

定款も変更するなら株主総会議事録も作成する

本店移転登記を行う際に定款も変更しなければならないのなら、忘れずに株主総会議事録も作成してください。株主総会議事録があれば、取締役会議事録と取締役会決定書は必要ありません

本店移転登記時に必要な書類

最後に、本店移転登記時に揃えておくべき必要な書類についてまとめました。

本店移転登記申請書

本店移転登記申請書は、本店移転登記手続き時に最初に書くべき書類です。申請書は法務局のホームページ商業・法人登記の申請書様式からダウンロードできます。

株式会社なら第1.3に、特例の有限会社なら第2.3をクリックしてください。会社の形態によって申請書の様式が違うので、間違わないようにしましょう。

本店移転登記申請書の記入例

本店移転登記申請書記入例

記入例は、本店を管轄内に移転するのか管轄外へと移転するのかで違います。

こちらに分かりやすくPDFでまとめられています。申請書をダウンロードした後に、見ながら記入してください。

株主総会議事録(株主リスト)

前章でも説明した通り、本店移転登記に伴い定款も変更する場合は株主総会議事録を作成・添付しましょう。定款の変更が無ければ、用意しなくて構いません。

株主総会議事録を用意するならば、合わせて株主リストもセットで作成します。

取締役会議事録か取締役決定書

取締役会を設置している会社は、取締役会議事録を作成します。

取締役会を設置していない会社は、作成例(雛形)を例にして取締役決定書を作成します。取締役達の氏名はもちろん、名前の横に印鑑(実印)を忘れずに押してください

印鑑届出書(管轄外に移転する場合)

印鑑届出書は、本店を管轄外に移転する時に必要

印鑑届出書は、本店を管轄外に移転する時に必要です。移転する前の住所を管轄している法務局に届け出ていた印鑑が使えなくなるので、新しく移転した先の住所を管轄する法務局へと印鑑届出書を提出してください。

本店の移転前・移転後で届け出る印鑑に変更が無いのであれば、届け出る人の印鑑証明書は不要・認印で問題無いとされています。

Point!印鑑カード交付申請書も新法務局宛に提出を

本店移転登記時に、新しい法務局宛の申請書と合わせて印鑑カード交付申請書を添付し(新法務局宛の)返信用封筒も付けておくことで、新たな印鑑カードを新しい法務局へと郵送してもらえます。

まとめ

本店移転登記の申請手続き時に必要な、取締役会議事録と取締役決定書について解説しました。

  • 取締役会を設置している‥取締役会議事録
  • 取締役会は設置していない‥取締役決定書

また書類の内容について、いずれも次の4つのポイントを盛り込んで作成すれば、どのような文章で記入しても問題ありません。

  • 開催日時
  • 決議された結果
  • 会議で決定した事項(いつから有効なのかも)
  • 出席した取締役の氏名と実印これら決まった様式が無いので最初は作りにくいと感じるかもしれま

その他にも管轄内・外への移転で揃える書類が違うので、1つ1つ確認しながら準備して申請手続きを行なってください。

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